循環薬理研究グループの研究ビジョン
間葉系幹細胞研究は治療効果のある新規バイオ医薬品の開発に繋がる領域として注目されています。特に脂肪幹細胞は、有効な治療法のない疾患に対するバイオ医薬品として、最も注目されている間葉系幹細胞です。その理由として、骨髄由来間葉系幹細胞と比べ採取が容易、移植ドナー細胞として拒絶反応が少ないこと、機能の改変が可能であること、microRNAを含有するエクソソーム分泌などのパラクライン作用を有しており、治療可能な疾患が広範囲であることなどが挙げられます。また、老化・酸化ストレス・炎症・がん化学療法などの負荷により生じた心筋・血管内皮細胞の障害では共通してオルガネラ機能障害が生じます。このような背景から、心血管疾患のオルガネラ機能障害に対する脂肪幹細胞研究から得られた知見を応用した新規バイオ医薬品開発を目指しています。